ひるまこうむてん若獅子日記-223 比留間工務店は元気です!久しぶりの墨付け。
墨付けされた材木たち。これから刻み作業にに入ります!
平成29年5月17日
こんにちは。(有)比留間工務店の齊藤です。新緑ももう新緑ではないくらいに青さが増し、何か街中もエネルギーに満ち溢れているような陽気になりました。久しぶりの更新になってしまいましたが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?最近は悲しい出来事があった当店ではありますが、大丈夫です。元気にやっております。ブログの更新は少しサボって?いたように思えますが、仕事はしっかりとさせていただいておりました。今月に入り、地元の農家さんの農作業場改修工事において当店としては数年ぶりに墨付けを行っております。墨付けとは木造建物の構造躯体になる材木一本一本に、材木同志が組み合わさる部分に仕口や継手の加工のためのしるしをする作業の事です。現在ではプレカット工場で材木を加工することが主流になっていますので、新築ではほとんど大工が墨付けするようなことがなくなってしまいました。そんなこともあって墨壺や墨さしの出番も少ないんです。ところが増改築や改修工事といった場面では工場での加工が難しい面もありますし、小面積だとなかなか工場に頼めない面もあり、大工が墨付けして、刻み加工することがあります。まあ、昔は当たり前のように人間の手でやっていたことですから当然と言えば当然の事なんですが、技術の伝承ということを考えると、伝統的な墨付け、刻み加工というものをしっかりやっていかなければならないと思っています。つまり、墨付けとは墨一本でも間違えてしまったら建物が建てられなくなってしまうというとても重要な作業なんです。私も当店がプレカットを導入する前に、4棟ほど新築住宅の墨付けと刻み加工をやらせていただきましたが、建前の前日は緊張で眠れなくなっていました。周りの協力でなんとか4棟とも無事に上棟できましたが、その緊張感は今でも忘れません。なので、今墨付けしている大工にもついつい言葉も多くなってしまいます。時代背景によって建築に求められるものも変化していきますし、基準も変わってきています。高耐震、高断熱は当たり前で、省エネからゼロエネの時代です。進化と継承を念頭におき、お客様のニーズに合わせて、常に周囲から必要とされる存在でいられるよう、これからも精進いていきたいと思いますので、何かの際にはお気軽にご連絡ください。(続きの様子は当ブログで随時UPしていきますよ!)
これは蟻落としの仕口です。材木同士が直角につながる部分を仕口と言います。
真ん中の棒状のものは尺杖といって、墨付けする際に使用する定規です。1尺単位で印があります。