ひるまこうむてん若獅子日記-201 自然災害のおそろしさ
平成28年4月19日
こんにちは。(有)比留間工務店の齊藤です。先週14日の夜、子供たちと夕食の時間、ゴー!という音とともに瞬間的な揺れを感じ、テレビをつけたら熊本で最大震度7という地震が起きたことが分かった。私が瞬間的に思ったのは建物の倒壊はないか?逃げ遅れた人はいないか?火災の発生はないか?この2つが頭の中を駆け巡り、ただただ心配な夜でした。翌朝以降次々に被害状況が報道されるようになり、追い打ちをかけるように14日の地震の本震とされるマグニチュード7.3という地震が16日に起こり、さらに被害が拡大してしまいました。報道や、耐震研究会のSNSの情報によると、倒壊した建物の多くはやはり古い木造住宅が多く、瓦屋根で1階がつぶされている状態が多いように思えました。また、シロアリによる被害も多く認められました。木造以外でも、旧耐震基準で建てられたであろう鉄骨造や鉄筋コンクリート製の建物も倒壊や半壊しているものもありました。今回は余震の数がおおく、「阪神淡路大震災」の数を上回っています。たとえ、1回の大きな地震に耐えられてとしても、あれだけの余震に見舞われていては、ひとたまりもありません。建築基準法では、震度6強〜7の地震に対して倒壊、崩壊せず、震度5強程度の地震に対して損傷しないということを定めています。建築基準法=耐震等級1です。また、耐震補強で評点1.0以上の建物は建築基準法、つまり耐震等級1相当の建物と考えています。しかし、耐震補強した建物の実物大実験(震度7相当)においても1回目の地震で耐えられたとしても、2回目、3回目となるとやはり倒壊してしまいます。旧耐震基準の建物は耐震補強は不可欠だと思います。ただ、改めて申し上げますが100%それで安心という考えより、あくまで、耐震診断、耐震補強は命を守るためのものだと考えていただいた方がよいと思います。地震やその建物の条件により私の意見は当てはまらない場合もありますが、とりあえずは建物の安全が分かるまでは避難優先、身の安全を第一に考えていただきたいと思います。また、最近の新築住宅ではよく耐震等級2とか耐震等級3とかうたっておりますが、それは品確法の基準であります。耐震等級2は建築基準法でうたっている地震力の1.25倍に耐えられる建物であること、耐震等級3は1.5倍の地震力に耐えられる建物であるとしています。また、現行の新耐震基準(昭和56年5月)以降も壁量計算の考えや接合部の金物仕様の規定等改正されています。過去の地震の経験を踏まえて、建物の基準も改正を繰り返しているのです。非常に微力でありますが、私自身も工務店、あるいは消防団員という立場でできる範囲内で地域の方々へ貢献していかなくてはならないと思った次第です。今回の地震でも多くの犠牲者や被害にあわれた方々がいらっしゃいます。犠牲に合われた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被害にあわれた方々へお見舞いを申し上げます。